「できらぁ!」の元ネタを徹底解剖!『スーパーくいしん坊』伝説の謎
でき ら ぁ——SNSやニュースのコメント欄、あるいは匿名の掲示板を眺めていると、一度はこの威勢のいいタンカを目にしたことがあるはずだ。何かが「不可能だ」と突きつけられた瞬間、まるで反射神経のように繰り出されるこの言葉。いまや日本のWebカルチャーに深く根を下ろした、伝説的な構文である。
根拠などどこにもない。しかし、圧倒的な勢いと謎の説得力で相手をねじ伏せる。誰かが唐突にでき ら ぁと言い放ち、周囲が「じゃあ作ってもらおうか」と返すお約束のやりとりは、単なるネットの戯れを超えて、現代のWeb空間でもなお絶大な存在感を放ち続けている。
『スーパーくいしん坊』発祥!伝説的ネットミームの由来と元ネタの回
この強烈な台詞の正体は何か。元ネタは、1980年代に一世を風靡した伝説のグルメ漫画『スーパーくいしん坊』だ。作中で主人公が放った威勢の良すぎる一言が、時代を超えてパロディ化されたのである。
ファンの間で「伝説」と語り継がれる元ネタの回は、安価で美味いステーキを作るエピソードだ。大人の職人や周囲の客が「そんな真似ができるわけがない」と鼻で笑うなか、主人公の少年が「できらぁ!」と啖呵を切る。続く「同じ値段で本格的なステーキを喰わせる店があるか!」「できらぁ!」「じゃあ作ってもらおうか!」という軽妙かつ強引なやりとり。このテンポ感こそが、ネットミームとして爆発的に拡散した最大の要因だ。
作者・寺沢大介が描いた熱量!『ミスター味っ子』へ繋がる奇想天外な世界観
本作を手掛けたのは、後に『ミスター味っ子』や『将太の寿司』といった歴史的名作を生み出す巨匠・寺沢大介だ。彼の初期作品である『スーパーくいしん坊』には、後年の洗練された料理描写とは一味違う、荒々しくも破天荒な熱量が凝縮されていた。
当時のグルメ漫画といえば、料理人の熟練した技術や伝統を重んじる作品が主流だった。しかし寺沢作品は違った。中学生が大人をやり込める爽快感、そして何より「そんなバカな!」と思わずツッコミを入れたくなる度肝を抜く調理法。この挑戦的な姿勢が、後の料理マンガ界の金字塔『ミスター味っ子』へと結晶化していくことになる。
5ちゃんねるからSNSへ:半永久的に愛される「正しい使い方」と構文の真髄
もともとはテキスト掲示板の「5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)」で重宝されていたこの構文だが、現在ではX(旧Twitter)をはじめとするSNS全般へと完全に浸透している。その使い方は極めてシンプルだ。
まず、誰かが不可能な課題や無茶な要求を提示する。「そんな短期間で開発できるわけがない」「この予算でこのクオリティは無理」といった文脈だ。そこへ颯爽と割り込み、「できらぁ!」と宣言する。すかさず周りが「〇〇(無茶な条件)だぞ!?」と煽り、最終的に「じゃあ作ってもらおうか(やってもらおうか)」と落とす。自信過剰なフリをしたジョークとしても、自虐的なネタとしても機能する万能のコミュニケーションツールなのだ。
主人公・香津茂の無鉄砲さ!講談社『週刊少年マガジン』黄金期を彩った異色作
『スーパーくいしん坊』の連載舞台は、講談社が誇る『週刊少年マガジン』だ。1980年代前半、熱血なスポーツ漫画やコメディが誌面を賑わせるなか、本作は異彩を放っていた。
主人公の香津茂(かつの しげる)は、下町の洋食屋の息子である普通の中学生。しかし、料理に対する情熱と負けん気の強さは大人のプロをも凌駕する。どれほど無謀な勝負であっても絶対に引かない。その無鉄砲なキャラクター造形と、講談社作品らしいパワフルな展開が当時の小中学生を熱狂させた。
2026年最新の話題:なぜ今、グルメ漫画の古典として再評価されているのか
連載終了から数十年が経過した2026年の今、なぜ『スーパーくいしん坊』が再び脚光を浴びているのか。その背景には、電子書籍の普及とショート動画コンテンツによる「古典漫画の再発見」ブームがある。
リアルさを追求する現代のグルメコンテンツに対し、往年の破天荒なアイデアが一周まわってエンターテインメントとして新鮮に映るのだ。SNS上でのコマ画像の拡散だけでなく、作中のトンデモ料理を実際に再現してみるYouTube動画などが話題を呼び、Z世代の若者にとっても「リアルタイムで知らないはずの爆笑マンガ」として定着している。
破天荒すぎる調理法と意外な作中背景:ファンが語り継ぐ裏話の数々
『スーパーくいしん坊』の真骨頂は、何と言っても香津茂が生み出す常識外れの調理アイデアにある。洗濯機を使ってうどんの生地を練り上げたり、ローラーシューズを履いて縦横無尽に厨房を駆け巡ったりと、物理法則や衛生観念を力技で突破していく展開は圧巻の一言だ。
だが、意外にも作中で提示される隠し味や肉を柔らかくするテクニック(パイナップルやキウイの酵素を利用するなど)は、科学的理にかなっているものも多い。勢いだけのギャグに見えて、根底には寺沢大介の料理に対する深い探求心が潜んでいた。この絶妙なギャップこそが、半世紀近く経った今もファンを魅了してやまない秘密なのである。 (出典: でき ら ぁ(Yahoo!ニュース))